検体測定室を運営する上で必要な「外部精度管理調査」へ「コバスb101」で参加しました。動画で、一連の流れや注意点・コツなどを解説します。薬局関係者や薬剤師さんなど情報収集のためにお役立てください。

検体測定室を運営する上で必要な「外部精度管理調査」というものがあります。当社も毎年おこなうこの調査に、今回は「コバスb101」で参加。一連の流れや注意点、コツなどを動画にまとめましたので、薬局関係者や薬剤師さんなど情報収集のためにお役立てください。
精度管理は2つ|内部と外部
コバスb101 のような測定機器( 血液検査用器具 パック式臨床化学分析装置 )を検体測定室内で扱うときは、その測定結果がきちんと適合範囲内におさまるかどうか、定期的な確認が必要です。
そして、その精度管理の実施方法は2種類あります。
ひとつは、自施設内でおこなう「内部」精度管理と、もう一つは、第三者機関に依頼しておこなう「外部」精度管理です。
どちらの精度管理も、測る検体は、申し込み先の調査機関から届く試料検体を測ります。
この外部精度管理調査は、内部のものと違い、年1回以上の参加が義務づけられています。
内部精度管理 | 外部精度管理 | |
必要に応じ任意でいつでも | 義務の有無 | 年に1回以上は調査へ参加が義務 |
自施設内 | 測定する場所 | 自施設内 |
試薬ディスクごとの測定コントロール | 測定する試料 | 調査を請負う第三者機関からの測定試料 |
代理店となっている医薬品卸 | 申込み先 | 検体測定室連携協議会 |
測定コントロールの購入費 試薬ディスク(数は任意) |
経費 | 2~3万円(所属団体により変動※1) HbA1c試薬ディスク4ヶ |
※1 所属団体について、検体測定室連携協議会の会員で20,000~23,600円、スマートヘルスケア協会の会員で25,000円、どちらも非会員で30,000円。2020年6月時点の情報につき相違のある際は、各団体へお問合せください。(価格の比較出展元:一般社団法人スマートヘルスケア協会)
外部精度管理調査|流れ&注意点
内部精度管理がいつでも おこなえるのと違い、外部精度管理は2021年5月の時点では、年に2回しか実施されません。また、申し込み期間には期限があるので、早めに 検体測定室連携協議会の公式サイト をチェックしましょう。
チェックする頃合いは、4~5月と9~10月がおすすめですが、実施月は固定ではないようなので参考としてご周知ください。
当社が参加した様子を、3部構成にしてYouTube動画にまとめました。
第1回:事前準備
試料検体が手元に届いてからの準備や、注意点について解説しています。
第2回:測定
温度と時間などに配慮し準備したあとは、いよいよ測定です。
試料をいつもの試薬ディスクし、測定機器本体(コバスb101)へセットする部分について解説しています。
転倒混和のしかたなど、ご参考になれば幸いです。
第3回:入力
試料の測定を終えたあとは、調査をおこなうため、検体測定室連携協議会のサイト内 該当ページへ入力します。
PC画面を、ZOOM機能をつかって撮影した実際のPC入力画面に沿って、注意点など解説しています。
参加で得られるメリット
この調査に参加して、得られるものが3つあります。
1つ目は、もちろん「調査結果」です。自施設の測定機器が適合の範囲内かどうか。加えて、実測値と目標値との誤差も確認できるだけでなく、測定値に対する捉え方についても理解が深まります。

→「検体測定室に関する専門家からのレビュー#02:病態解析研究所 様(神奈川県・厚木市)」(2018.02.27 当社お知らせより)
2つ目は、検体測定室連携協議会から発行される「参加証」です。
実は、私たちが 各地へイベント出張するとき、受検者さんから「この結果、正確?」「どのくらい正しく出るの?」と、聞かれることが、よくあります。
この参加証を測定室内に提示することで、受検者さんの「安心」につなげることもできるでしょう。

3つ目は、測定に従事する者の「自信の習得」です。
検体測定室での業務は、薬局の日常業務とかけ離れたところも多く、その回数は日々の服薬指導と比べると、極端に少ないと思います。
また、受検者さんを目の前にしながら、他の従事者と作業の確認や注意点、不安な部分について、話し合うことは難しいでしょう。
この外部精度管理調査におけるシーンは、スタッフの方々が自由に、意見や不安を語り合いながら、情報共有のできる場 でもあります。
「義務だから仕方なく…」というより、「この機会に、皆で意見交換しよう!」といった、自信習得の機会に活かせたら、素晴らしいと思いませんか?
この記事をご覧いただいている皆様の、自信と、成功体験の構築に、少しでもお役に立ちましたら幸いです。