セルフメディケーション税制とは?申請方法や対象商品、いくら戻る?

セルフメディケーション税制で「いくら安くなる?」2022年の一部改正内容から、申請条件3つ、対象医薬品の見分け方と注意点、減税額の計算方法、そして具体的なe-Tax/書類での申告方法をまとめて解説します。この制度の全体像を把握し、賢く節税しながら健康管理に役立てましょう。

目次

セルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制とは、国民のセルフメディケーションを推進する施策の一環として導入された医療費控除の特例で、「特定の医薬品購入額の所得控除制度」とも呼ばれます。これは、一定のセルフメディケーションに取り組む個人が、対象となる医薬品について年間12,000円を超えて購入した場合に申請が検討できる制度です。
対象となる税目は所得税で、医薬品の購入費用をもとに算出された金額がその年の所得から控除されることで、翌年に支払う税金が安くなります。

この制度に期待されているのは、国民一人ひとりがセルフメディケーションに取り組むことにより、健康寿命の延伸と、介護費を含む医療費の適正化に貢献することです。これが社会保障制度を維持することにもつながります。

対象期間はいつまで?2022年の改正点

当初、セルフメディケーション税制は2017年1月1日の開始から2021年12月31日までの時限制度でした。しかし、2020年12月21日の閣議決定で5年間の延長が示され、2022年(令和4年)1月1日の一部改正を経て、現在の適用期間は2026年(令和8年)12月31日までとなっています。

この改正では、適用期間の延長に加え、2つの点で変更が行われました。ひとつは、申請しやすくするための、手続きの簡素化です。確定申告の際、レシート(領収証)や証明書の提出が不要になりました。もう一つは、以下に示す対象医薬品の①見直しと②拡充です。

①対象医薬品の「見直し」(成分の削除)

これまでは基本的に、すべての「スイッチOTC医薬品※」が対象の医薬品として扱われていました。しかし、この改正により、医療費の適正化効果が低いと認められた約50品目の「スイッチOTC医薬品」が、対象から除外されます。

除外されたのは、成分としてユビデカレノン(効能:動悸や息切れなど)、メコバラミン(効能:手足のしびれや眼精疲労の改善など)、L-アスパラギン酸カルシウム(効能:カルシウムの補充)、フッ化ナトリウム(効能:虫歯予防)のいずれかを主な有効成分としていた品目です。
ただし、これらには2025年12月31日までの経過措置が設けられています。実際には、2026年(令和8年)1月1日から対象外という扱いです。

※スイッチOTC医薬品:要指導医薬品と一般用医薬品のうち、医療用から一般用へ転用(スイッチ)された医薬品。

②対象医薬品の「拡充」(効能効果の追加)

一方で、「非スイッチOTC医薬品」のうち医療費適正効果が非常に高いと認められ、厚生労働省の指定した効能効果をもつ医薬品も、スイッチOTC医薬品に加わる形で、新たに対象となりました。具体的な効能効果は、次に挙げる7つです。これらは、2022年(令和4年)1月1日以降で購入するものから適用となっています。

≪ 税制対象の効能効果 ≫
※()外は厚生労働省の事務連絡による記載、()内は一般的な呼ばれ方の例

  • 外用鎮痛消炎薬(湿布薬など)
  • 解熱鎮痛薬(熱さまし、頭痛薬など)
  • 鎮咳去痰薬(咳止め、痰きりなど)
  • 耳鼻科用剤(点鼻薬など)
  • かぜ薬(総合感冒薬など)
  • 抗ヒスタミン薬(花粉症薬など)
  • その他のアレルギー用薬(花粉症薬など)

こうした改正の結果、対象品目数はそれまでの約1,830品目から約3,280品目(2026年1月からは約3,230品目)へ増加し、これは約1.8倍に拡充された計算になります。

税制利用者は年間で約2,500人に1人

国税庁が2021年6月に発表した報道発表資料「令和2年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」では、国民によるセルフメディケーション税制の活用がまだ進んでいない状況が浮き彫りになりました。その資料によると、制度の施行から4年間で適用された人の数は、年間約3万人(延べ約107,000人)です。これは、医療費控除が適用された年間約750万人の0.4%に相当します。

ほかの調査では、かぜ薬(総合感冒薬)や鼻炎用薬などの常備薬として、保険を適用して医師から処方される医療用医薬品を持つ人が一定数いることも明らかになっています。2022年に行われた改正は、こうした医療用医薬品の常備薬を対象のOTC医薬品に切り替えるセルフメディケーションの推進も期待した変更内容でした。

実際、かぜ薬の市場出荷金額を見てみると、税制対象の医薬品は市販薬のかぜ薬全体に対して、改正の前後で大幅に増加しています。数としては、改正前の40.4%が改正後では99.8%に達しました(令和6年5月国税庁公表資料)。言い換えると、市販薬でかぜ薬を購入する場合、ほとんどが税制対象の医薬品です。

しかし、令和5年分(2024年申告)でセルフメディケーション制度を利用した人数は49,000人でした。これは、同じ年の医療費控除をした人数(約780万人)の約0.62%に相当します。わずかな増加は見られるものの、令和2年分と比べて大きな変化は見られません。
日本人の総人口がおよそ1億2,300万人とすると、およそ2,500人に1人しかこの制度を利用していない計算になります。

申請するために必要な3つの条件

セルフメディケーション税制を申請するには、次に挙げる3つの条件をすべて満たしていることが必要です。

条件① そのほかの医療費控除は利用しない

ひとつ目の条件として、セルフメディケーション税制は医療費控除の特例のため、ほかの医療費控除と一緒に利用することはできません。
ここでいう「医療費控除」とは、保険を適用して支払った医療費(処方せんによる薬代を含む)が1月1日~12月31日までの1年間で一定額を超えるときに、所得控除が受けられる制度です。この一定額は、その人の年齢や年収によって決まります。

計算方法は、実際の支払金額から、生命保険などによる給付金や高額療養費で補てんされる金額と、10万円(その年の総所得金額が200万円未満の人は、総所得金額の5%)を差し引いた額で、控除額の上限は200万円です。

また、「高額療養費」というのは医療費控除とは異なり、1ヶ月単位(1日から月の末日まで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。その上限額も、年齢や年収によって変わります。
例えば、70歳以上の人で年収が156~約370万円である場合、月額上限は57,600円です。これに対し、69歳以下の人や70歳以上で年収が約370万円以上の人では、所得区分と支払った医療費に応じた計算式で上限額が算出されます。

高額療養費を適用後に、実際に支払った自己負担額が年間で一定額を超えた場合には、合わせて医療費控除を受けることも可能です。

医療費控除もセルフメディケーション税制と同様に、自分だけでなく生計を一つにする配偶者や親族の分が合算できます。該当する控除がある場合は、計算方法や対象(医療の内容、OTC医薬品の品目など)が異なることに注意し、自分に合った制度を選びましょう。

条件② 購入の対象医薬品が年間12,000円超

2つ目の条件は、対象となる医薬品の年間購入額が12,000円を超えていること。この年間が指す範囲は、1月1日~12月31日までの1年間です。購入金額は、自分自身の購入分だけでなく、生計を一つにする配偶者や家族が購入した分も合算できます。
例えば、かぜ薬は一箱あたり数日~1週間分として販売されることが多く、1,000~2,000円程度の金額が一般的です。花粉症用薬として用いる抗ヒスタミン剤も、一週間単位で見ると、大体同じくらいの金額で販売されています。

そのため、一度の購入で12,000円を超えることはほとんどないかもしれません。事実、2024年に7,939人を対象として実施されたアンケート調査では、約3人に1人(33.5%)が、「12,000円を超えないために」この税制を利用しなかったと回答しています。

しかし、年に数回以上、市販薬を使う機会があったり、さらに合算できる家族が複数人いたりする場合は、12,000円という金額設定はそう高くないと捉えられるでしょう。
ただし、生命保険や損害保険などから補てんされる金額については、控除の対象外となることに注意が必要です。

条件③ 健康の維持増進・疾病予防の取組

3つ目の条件は、疾病を早期に発見し、より長く健康を維持増進していくために必要な「一定の取り組み」をしていることです。具体的には、以下に挙げる5つが該当し、このうちどれか一つだけでも構いません。これらは、租税特別措置法施行令に基づき、厚生労働大臣が定める取り組みです。

≪ 申請条件「一定の取り組み5つ」 ≫

取り組み内容関連する法律
健康診査(人間ドック、各種の検診・健診など)医療保険各法、健康増進法
予防接種(定期予防接種、インフルエンザワクチン)予防接種法
定期健康診断(事業主健診)労働安全衛生法
特定健康診査(いわゆるメタボ健診)、特定保健指導高齢者の医療の確保に関する法律
がん検診(健康増進事業の一つとして行われるもの)健康増進法

上記のうち、「健診」というのは「健康診査」の略で、この2つの言葉は同じ意味合いです。一般に、会社などに雇用され勤務している人は、年1回の定期健康診断がこれに該当します。一方でとくに勤め先がなく国民健康保険に加入している人や、生活保護を受給している人も、市区町村が実施する健康診査を受けていれば該当します。

また、「予防接種」のうち税制の対象となるのは、予防接種法に定められる定期予防接種とインフルエンザワクチンの接種のみです。例えば、「高齢者に対する肺炎球菌感染症」は該当します。そのほか、現在はまだ任意接種の範疇である「帯状疱疹」は、2025年度から定期接種の対象となることが決まりました。
ただし、海外渡航の際に推奨される任意接種のワクチンなどは対象とならないため、注意しましょう。

そして、「がん検診」について現在、国が推奨しているのは次に挙げる5つのがんに対する検診です。近年、民間サービスの一環として提供されるがんの検査キットやリスクの判定キットなどは、診断が目的ではないため、税制の対象となりません。

≪ 「一定の取組」に該当する「がん検診」5つ ≫
※参考:厚生労働省「がん検診

がんの種類検査項目対象年齢受診間隔
胃がん問診と、胃部X線検査か胃内視鏡検査のいずれか50歳以上
(胃部エックス線検査は40歳以上)
2年に1回
(胃部X検査は年1回)
子宮頸がん問診、視診、子宮頸部の細胞診と内診20歳代2年に1回
問診、視診、子宮頸部の細胞診と内診30歳以上2年に1回
問診、視診とHPV検査単独法5年に1回
肺がん問診、胸部X線検査と喀痰細胞診40歳以上
(喀痰細胞診は50歳以上の重喫煙者のみ)
年1回
乳がん問診とマンモグラフィ40歳以上2年に1回
大腸がん問診と便潜血検査40歳以上年1回

対象商品(医薬品)の見分け方

2025年12月1日時点における対象医薬品の数は、「非スイッチOTC医薬品」が4,320品目、「スイッチOTC医薬品」は3,020品目です。これを見分けるには、商品の箱に記載されたセルフメディケーション税制対象を示すロゴマークの有無を確認しましょう。また、購入時のレシートに対象マークが記されているかといったことでも確認できます。

ただし、税制対象のロゴマークは一律に定められている一方で、販売店がレシートに記す対象マークは独自の★や◆、「セ」など、その形式は様々です。また、対象商品を他と区別して陳列するルールもとくに設けられていません。

そして、2026年(令和8年)1月1日以降に購入する医薬品については、対象から除外される成分4つ(ユビデカレノン、メコバラミン、L-アスパラギン酸カルシウム、フッ化ナトリウム)に注意が必要です。
購入した医薬品が対象であるかどうかは、厚生労働省の公式サイト「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」から「セルフメディケーション税制対象品目一覧」を参照することで確認できます。

出典:厚生労働省 広報誌「厚生労働」

「レシート表示の誤り」に注意しよう

極めて稀なケースではあるものの、購入時のレシートの記載に誤りがあった事例が、厚生労働省の公式サイトで発表されています。具体的には、セルフメディケーション税制の対象でない商品に、対象を示すマークが誤って記されていたり、反対に対象である商品に当該マークが記されていなかったりするといった内容です。

厚生労働省は、こうした記載の誤りについて購入元のホームページで案内を確認し、税制の適用を受けるときに誤って適用を受けることがないように注意喚起しています。
言い換えると、レシートにマークが記載されていなくても、商品の箱にロゴマークが施されていれば、対象となる可能性が十分にあるということです。

消費者一人ひとりが、厚生労働省の発表する公式サイトを参考に、対象であるかどうかを自ら確認するといった姿勢も必要なのかもしれません。

いくら戻るかシミュレーション

実際に、どのくらい税金が安くなるのでしょうか。その減税額は、個々の課税所得※に応じて徴収される所得税率によって異なります。セルフメディケーション税制は、年間購入金額が12,000円を超えていない場合は申請できません。また、どんなにたくさん対象商品を購入したとしても、控除額の上限は88,000円です。

ただし、所得控除にはセルフメディケーション税制以外にも複数あり、実際の減税額はそれらをすべて反映した額となります。この計算方法では、セルフメディケーション税制に該当する減税額のみが対象です。

それでは、次の表から自分の所得税率を確認し、以下に示す計算式に当てはめて計算してみましょう。

※課税所得:勤務先から受け取る給与総額から「給与所得控除」を引いた額が「総所得」。この「総所得」からさらに、主な所得控除「基礎控除」「社会保険料控除」「配偶者控除・扶養控除」「生命保険料控除」「医療費控除」などを引いた残りが「課税所得」。

≪ 課税所得に応じた7段階の所得税率 ≫
参考:国税庁ホームページ「No.2260 所得税の税率」

課税される所得金額(1,000円未満は切捨)所得税率
1,000円~194万9,000円まで5%
195万円~329万9,000円まで10%
330万円~694万9,000円まで20%
695万円~899万9,000円まで23%
900万円~1799万9,000円まで33%
1,800万円~3,999万9,000円まで40%
4,000万円以上45%
計算式

減税額=所得税の減税額{(購入額-12,000円)×所得税率(%)}+個人住民税の減税額{(購入額-12,000円)×10%

≪ 課税所得によって異なる減税額の例 ≫
年間購入金額がともに 20,000円 の場合、控除額 8,000円と、個人住民税 800円は同じ額となり、所得税率によって減税額に差が出ることになります。

●課税所得:300万円
所得税の減税額=(20,000円-12,000円)×所得税率10%=800円
個人住民税の減税額=(20,000円-12,000円)×10%=800円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
減税額=800円800円=1,600円

また、日本一般用医薬品連合会が運営する公式サイトでは、上記の計算が簡単におこなえるため、活用するのもおすすめです。

申請方法の流れと準備

セルフメディケーション税制の申請は、例年2月~3月頃におこなわれる確定申告でおこないます。申告方法には、書面で管轄の税務署へ持参または郵送する方法、あるいは電子申告システムe-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用する方法があります。

2021年分(令和3年分)の確定申告からは、「健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行ったことを明らかにする書類」の添付や提示は必要なくなりました。加えて、対象医薬品を購入したときのレシート原本の提出も必要ありません。
ただし、これらの書類は税務署から提示や提出を求められる場合があるため、確定申告の期限から5年間は自宅で保管することが必要です。

それぞれの申告方法における大まかな流れと準備については、以下を参考にしてください。

書類で税務署へ持参または郵送する

書類を作って税務署へ持参あるいは郵送する場合、まずは「セルフメディケーション税制の明細書」をダウンロードして記入しましょう。これは、国税庁の公式サイト「年分 セルフメディケーション税制の明細書」からダウンロードできます。

※明細書は国税庁の公式サイト
「年分 セルフメディケーション税制の明細書」からダウンロードしてください。

この明細書に必要事項を記入し、確定申告書と一緒に持参するか郵送します。控えが必要な人は、正副2通を準備し、郵送の場合は切手を貼った返信用封筒を添えて送付しましょう。
明細書の1番目にある「一定の取り組み」に関する記入欄では、保険者名や医療機関名など、発行者名の記入が必要です。これらの記入事項について不明な点がなくても、証明書の保管は欠かせません。

ここで、取り組みごとに証明方法が異なることに注意が必要です。それぞれの取り組みについて必要な証明書は、厚生労働省の公式サイトで発表する『「一定の取組」の証明方法について(別添4)』から確認できます。
また、証明書が手元にない場合は、同サイト内で「証明依頼書」のWordファイルをダウンロードし、保険者や事業者に対して証明書の発行を依頼しましょう。

e-Taxで電子申告する

パソコンやスマートフォンを使った電子申告が可能な人には、e-Taxによる申請が便利です。書類による申請で必要な「明細書」の記入は、実際の確定申告書作成の過程で入力できるため、事前に準備するのは購入した分のレシートと「一定の取り組み」に関する「証明書」だけで済みます。もちろん、事前に作成した「明細書」を添付することも可能です。

手順としては、e-Taxにログインしたあと、以下のステップで進めましょう。 (参考:国税庁「医療費控除の入力編」

Step
「確定申告書作成コーナー」から「所得控除の入力」を選ぶ。
Step
「医療費控除」の入力欄へ進む。
Step
適用する医療費控除は、「セルフメディケーション税制を適用する」を選ぶ。
Step
「取組内容の確認」で選択肢から該当する取り組みを選び、「証明書発行者の入力」で発行者名を入力する。
Step
「医薬品の領収書から入力する」(レシートを見て入力する)か「医薬品の購入金額の合計額のみ入力する」(明細書をダウンロードして作成したものを添付)のいずれかを選び、前者の場合は販売店や医薬品の名称など、必要事項を入力する。
Step
複数の対象医薬品がある場合は、「続けてもう1件入力」を、終了する場合は「入力終了」をクリックする。
Step
入力内容の一覧で間違いがないか確認し、「次へ進む」をクリックする。
Step
計算結果で医療費控除額を確認し、以上で入力は終了。

分からないときは、どこで相談できる?

そもそも、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。とはいえ、どこまでの不調を自分で手当てできるのか、その判断に迷う人もいるでしょう。
そのようなときに頼りたいのが、薬局やドラッグストアです。そこには薬剤師や登録販売者が勤務し、抱える不調が市販薬でセルフケアできる程度かどうかの判断を手伝ってくれます。加えて、その医薬品がセルフメディケーション税制の対象かどうかも確認できます。

また、2025年11月30日時点で全国に1,783件存在する「検体測定室」で、セルフメディケーション税制について相談してみるのも一つです。そこでは、薬剤師と一対一で、平均的に15分~30分間ほど会話できる機会が設けられています。
ふだんつかっている薬がある人はお薬手帳を持参し、それらも踏まえた上で相談するとよいでしょう。

まとめ、年末に備え年明けから準備を!

セルフメディケーション税制は、まだ広く国民に周知されているとは言い難い制度です。これは、2024年の実態調査(n=7,939人)でも明らかになっています。調査では、この税制の利用経験がないと回答した人が、「よく知らないから(42.9%)」「セルフメディケーション税制の申告方法がよく分からないから(15.7%)」といった理由を挙げていました。また、「申告しても還付金額が少ないから(8.3%)」といった見方があるのも事実です。

しかし、制度の目的や変遷、手順について個々が理解を深めることは、結果としてセルフメディケーションの推進を後押しします。これは、日本の医療費抑制に寄与することも期待されています。

まずは、家族全員で市販薬を購入したときのレシートを保管することから始めませんか。同時に、適切なセルフメディケーションを実践するためにアドバイスを求められる、かかりつけの薬局やドラッグストアを見つけることも大切です。
きっと、その行動は、自分と大切な人の健康寿命延伸につながる第一歩となるでしょう。

※この記事は、2025年12月15日時点における情報をもとに作成しています。税制そのものに関する法改正や対象医薬品に関する事項、e-Taxの入力方法など、現状と異なる場合は行政の発表する情報を優先してください。

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この記事を書いた人

曽川 雅子のアバター 曽川 雅子 リテラブースト・薬剤師

薬局勤務で培った経験から、
多彩なシーンで検体測定室のプロデュースと、
エビデンス確かな記事執筆提供で活動中。
「ここで聞けて良かった」という声が原動力。

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