2021世界糖尿病デーと検体測定室の関わり

2021.11.15 Mon

検体測定室の測定イベント(単発/期間限定開設)は、毎年11/14世界糖尿病デーの前後10~11月がピークです。2021年までの推移やコロナ禍による影響、糖尿病に関する国際的な取り組みと情報発信に寄与する検体測定室の”在りかた“について考えてみませんか?

 

出展:神奈川県 公式ホームページ「世界糖尿病デー“ブルーライト県庁”」より https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cz6/cnt/f533784/p1086540.html

検体測定室では糖尿病に関する項目を2つ測ることができます。これを日頃から、目標値をたてて自己管理していますか?その重要性について考えるきっかけを得ることができるのも、検体測定室におけるメリットの一つ。
ここでは、世界糖尿病デーにおこなわれる国際的な取り組みを理解し、広く情報発信に寄与する検体測定室の在りかたについてご紹介します。医療関係の施設内にかぎらず、多彩なシーンで開設のできる検体測定室にて、情報発信のためにお役立てください。

目次
  • 世界糖尿病デーを知る
  • 11/14で見る検体測定室の数
  • コロナ禍で変化した検体測定室
  • これからの期待と展望

世界糖尿病デーを知る

測定イベントとして検体測定室の出向と運営をおこなうなかで、世界糖尿病デーをご存じの受検者さんは多くありません。
東京スカイツリーや東京タワーが青くライトアップされる背景について、なかなか周知されていないことに気付かされます。

世界糖尿病デーとは一言でいうと、糖尿病を正しく理解し、予防や療養、偏見などについて啓発活動を呼びかける日。
11/14は、1921年にインスリンを発見したフレデリック・バンティング博士の誕生日です。これは、1991年にIDF(国際糖尿病連合)とWHO(世界保健機関)が制定し、2006年に国連総会で公認されました。
以来、11/14は正式な国連デーとして、世界各地の著名な建造物でブルーライトを灯す行事や、さまざまな啓発活動がおこなわれています。

(画像)出展:世界糖尿病デー実行委員会 https://www.nittokyo.or.jp/modules/information/index.php?content_id=50

シンボルである青い丸のモチーフ「ブルーサークル」は、2007年から世界各地で掲げられているもの。それは、どこまでも続く空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」を表現しています。
キャッチフレーズには、”Unite for Diabetes” (糖尿病との闘いのため団結せよ) という意味がこめられ、日本でも東京タワーとはじめとした各地で、糖尿病に対する啓発活動にふれることができます。

11/14で見る検体測定室の数

1年間のうち、血液測定イベントとして単発的な(期間を限定して開設する)検体測定室の申請件数が増えるのは、5~6月と10~11月の年2回です。

出展:検体測定室連携協議会「トピックス 2021年11月4日」より https://www.yubisaki.org/common/item/release_1_20211031.pdf

ピーク①|世界糖尿病デー

世界糖尿病デー(11/14)の前後で、東京タワーや県庁など数々の建造物がブルーにライトアップされるとともに、多くの医療機関で糖尿病に関するイベントや啓発運動がおこなわれています。
2021年の今年は、インスリン発見から100周年という節目の年でもあり、全国各地200カ所を超えて盛り上がりを見せていたようです。

例年この時期に、ふだん設置していない薬局やドラッグストアなどでも、期間を限定して運営する所が多くあります。
ただし、開設には準備や告知といった時間や労力が必要です。そのため、開催日は11/14の前後でも、申請作業は前もって10月におこなう所が多く、その申請件数のピークが10月になるということなのでしょう。

ピーク②|5~6月頃

もうひとつのピークは、5~6月頃です。これは、医療機関が比較的、混み合いにくい時期ということも理由のひとつでしょう。
この時に健康診断を未受診の人に対しては、その必要性を伝えるための機会としても有用です。健康診断の多くが、春もしくは秋に実施しているという現状をみると、それと同じ時期に啓発活動をすることによって、必要性を訴えかけることもできます。

さらに春先なら、”ネック“ ともいえる、温度に関する問題も回避できます。
指先から血液を採取するときに手先が冷えていると、十分な血液の量が確保できません。
また一般的に、寒くて乾燥している時期には感染症も流行しやすいため、イベントをおこなうにはパンデミックやクラスターの発生も懸念されます。かといって、8月など暑い時期では、熱中症への対策も慎重さを増すものです。

つまり、これらの理由から、検体測定室をイベントとしておこなうには、5~6月と10~11月が適していると言えるのでしょう。

コロナ禍で変化した検体測定室

出展:検体測定室連携協議会「トピックス 2021年11月4日」より https://www.yubisaki.org/common/item/release_1_20211031.pdf

 

昨今の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症では、感染拡大を防ぐために大規模イベントをはじめ、人が集まるものは各業界で自粛。この検体測定室も例外ではありません。数々のドラッグストアチェーンや薬局などで、検体測定室の休業に関するお知らせが見受けられました。

測定イベントにおける件数(申請の数)をみると、2020年5月には検体測定室が始まって以来、初めての0(ゼロ)件も。さらには、常設(期間を限定せず常に開設しているもの)の事業所でも、その件数はわずかに減っていることがデータから分かります。

また、厚生労働省の担当者によれば、「検体測定室でCOVID-19の抗原テストや、PCR検査ができるのか?」というような問合せがあったと言います。答えはNoです。
この質問の背景には、検体測定室がうまれた理由について、十分に周知しきれていないという課題があるのかもしれません。

一方で、このコロナ禍中では、糖尿病の人は感染しやすいというような誤った情報も行き交いました。これには、糖尿病に対するマイナスイメージが拡大したとして、懸念の声があがっています※1
検体測定室では情報提供のなかで、そういった誤解に対する質疑応答もできたかもしれません。その機会が一時的であるとしても、減ってしまったことは残念なことです。

※1:参考元 公益社団法人 日本糖尿病協会

これからの期待と展望

2021年の世界糖尿病デーにおけるテーマは、「偏見にNo!糖尿病をもつ人はあなたと同じ社会で活躍できる人です」。
糖尿病とともに生きる人だけでなく、すべての人が向きあう必要のあるテーマです。糖尿病に対する誤った認識や、過剰な不安、相手にストレスを与えかねない対応など、社会的に取り組む姿勢が必要とされています。

検体測定室は健康管理を自主的におこなうことに加えて、健康や認識、それらの取り組みに関する情報を共有する場としても有用です。
健康である人においても、自身の数値を知り、日頃の習慣に対して自ら目標をたてることはプラスとなるものでしょう。
そして、自ら指を針でさし血液を採取する不安や痛みを経験することも、誤解のない社会を目指すために必要かもしれません。

検体測定室が多くの人々にとって、自身と大切な人における健康管理を推進するための、一つの ”きっかけの場“ となれば嬉しいと思います。


※この記事は2021年11月時点の情報です。ガイドラインの改正などにより、手続きや届出等に変更がある際には、現状をご優先いただきますようお願いいたします。この記事が、これから検体測定室を検討する際にヒントとなりましたら幸いです。

さいごに、これをお読みくださった方の検索にかける時間や労力が、ほんの少しでも減らすことが出来ますよう、心よりお祈り申し上げます。